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中国の村が動画配信を村興しのきっかけに!その手段とは?

YouTubeニコニコ動画をはじめとする動画共有サイトが人気を博す昨今、動画配信を生業とする人気配信者が次々と誕生し、UUUMのように動画クリエイターの発掘や育成などを行う企業も増えています。私自身、先日YouTubeチャンネルを開設し、日中両国の若者に向けた情報の発信を始めました。


その動画配信は、7億人というネット人口を抱える中国でも大きなブームとなっており、市場規模は日本の10倍以上になるとも言われています。このため、一夜にして数千万円〜数億円を稼ぎ出す動画配信者も少なくありません。

 

そんな中、この動画配信を利用し、地方再生を図った村があります。今回は、その取り組みと成果をご紹介したいと思います。

 

中国浙江省に義鳥北下朱村という村があります。少子高齢化が進み、これといった産業もなかったこの村は、数年前まで経済的に非常逼迫していました。しかし、7キロ先にアパレル製品の卸売市場があったことが、この村にチャンスをもたらします。中国では、アパレルブランドや化粧品会社と代理販売契約を結んでいる動画配信者が多く、彼らは卸売市場で新作の流行品を入手します。つまり、卸売市場が近いこの村は動画配信者にとって非常に都合の良い場所だったのです。


そこで同村が考えたのが、動画配信の街としての再生です。その地理的条件を活かし、若い動画配信者たちを呼び込むことで、村を発展させようと考えたのです。ほどなく、同村は光ファイバーなど動画配信に必要な高速インターネット回線を整備。さらに動画配信者に低価格で住宅を提供するなど、動画配信の街として必要な環境を整えていきました。

 

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《実際にアパレルの実況動画を配信する女性やスタジオ》

 

その結果、多くの若い動画配信者がこの村に移住。その数はこの3年で2000名に達しました。さらに、動画配信を行うためのスタジオなどの需要も増え、村全体のテナント料は年間1.8億円(約30億円)まで高騰しています。


現在、動画配信の聖地となりつつある義鳥北下朱村は、人口の増加と共に経済成長も飛躍的に伸長しました。都市に富が集中しやすい現代において「義鳥北下朱村に来れば金持ちになれる」と言われるほど、豊かになった義鳥北下朱村。その経済モデルが、今後中国全体に広まって行くのかに注目が集まっています。