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ここまできたQRコード詐欺!罰金や光熱費を装う手口

この数年ですっかりスマホ決済が根付いた中国では、買い物・移動・食事などありとあらゆる経済行動がスマホ一つで可能となりました。公共料金や交通違反の罰金さえもQRコードでの支払いが可能となり、日常生活の利便性が一気に高まった中国。しかし、そうした利便性の向上は新たな問題も引き起こしています。今日は、中国全土で多発している巧妙な詐欺事件について、ご紹介したいと思います。


先日中国河北省で、地元に住む女性の自家用車に「罰金」と書かれた用紙が貼られていました。女性は以前、交通違反を犯したことがあり、貼られていた罰金通知書も、当時、警察で処理してもらった際に発行されたものと同じもののように見えたため、その場で通知書のQRコードを読み取り、罰金の支払いをしてしまいます。しかし、ご想像通り、この罰金通知書は詐欺組織が偽造したものでした。女性は誤まって詐欺組織に支払いをしてしまったのです。

 

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《実際に報告された罰金詐欺の写真。左が本物の支払用紙で右が偽物の支払用紙》


中国では、QRコードがあまりに普及してしまったことで、それを悪用した詐欺事件が相次いでいるのです。こうした罰金詐欺の他、偽造した光熱費の支払用紙が住宅のポストなどに入れられ、住民が詐欺と気が付かずQRコードで決済してしまう事件も報告されています。


中国では、すでにQRコードだけでなく顔認証による決済システムも進んでいますが、犯罪組織も手口を巧妙化させています。こうした犯罪事件や災害時のことを考えると、やはり“電子決済”と“現金”は両方バランスよく存在させるべきなのではないでしょうか。