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香港中文大学で大規模衝突が発生

これまで市街地で繰り広げられてきた香港の大規模デモですが、昨日ついに転換期を迎えました。香港警察当局が武装した警察部隊を香港中文大学および香港城市大学に派遣し、学校側の話し合いの提案にも応じず、校内に進入したのです。香港中文大学では夕方頃から、学生会で組織された学生デモ隊と警察隊による激しい衝突が起きました。
 
 
 
 
 
 
《香港東網およびCBCによる香港中文大学での衝突の写真》
 
衝突は深夜24時ころまで続き、学生デモ隊は火炎瓶を使用。これに警察隊が催涙弾などで応戦するといった、もはや戦場とも言える争いが大学構内で繰り広げられていました。一部香港メディアによると、この衝突によって催涙弾が頭部に命中し、意識不明の重体となった学生も出たといいます。また、ケガ人は50名を超え、生後10か月の幼児まで衝突に巻き込まれケガしたと報じられています(自由時報)。警察はデモ隊約300名を逮捕しましたが、その内半数以上は中学生から大学生までの若者でした。
 
しかし、大学キャンパスという教育の場で起こった今回の衝突も、メディアによってその論調は大きく異なっています。中国国内では「警察隊が学生の暴徒による犯罪テロ行為を鎮圧した」と警察寄りの報道がなされていますが、地元香港紙は「香港中文大学の学長が警察側と話し合いによる解決を提案したが、警察隊はこれを拒否し校内に進入」と報じ、警察隊の強権的な手段を批判しています。そんな中、日本を含む海外世論が「デモ隊は暴徒化しており武力鎮圧も仕方ない」となれば、まさに中国政府の思う壺。大規模な軍事的手段が採られるきっかけとなるでしょう。つまり、今後国際世論次第で、香港の命運も大きく変わりうるということです。
 
香港デモについて、メディアやネット上では様々な情報が錯綜しています。日本の皆さんには、様々な情報に目を通し、今何が起こっているのか、なぜこうしたことが起こっているのか、何が本当のことなのか、をしっかりと見極めてほしいと思います。
 
これからの香港の未来を創っていく香港の若者たち。そんな若者たちが火炎瓶などの武器を持たざる得なくなってしまったこの現実に非常に強い憤りを感じます。