周来友ブログ

周来友オフィシャルブログ

香港デモの余波、今度はティファニーがターゲットに

アメリカの大手人気ジュエリーブランド・ティファニーが香港デモの支持派であるとして中国から不満の声が上がっています。事件のきっかけはティファニーが広告として使用したポスターでした。


今月7日、ティファニーは公式SNS上に中国人女優・孫菲菲を起用したポスターを公開しました。このポスター写真で右手で右目を隠すようなポーズをしていた孫菲菲。特に何の問題もないように思われますが、実はこのポーズ、香港デモ隊にとって特別な意味合いを持つ象徴的なポーズだったのです。

 

f:id:zhoulaiyou:20191019132812j:image

ティファニーが公開した今回のポスター広告》


香港のデモが激しさを増していた8月、デモに参加していた女性の目に警察が発射した布袋弾が直撃し、この女性は目を失明してしまいます。するとこの事件以降、「香港の民主主義のために戦い、光を失った」として、この被害者女性は香港デモ隊の象徴的な存在となったのです。また、この事件をきっかけに香港デモ隊が右目に眼帯を着けデモを行うようになるなど、《右目》は香港で特別な意味を持つようになったのです。


一方、中国は香港デモを「暴徒」「テロ組織」と強く非難してきました。そのため、今回のティファニーのポスターは、中国人に「暴徒たちの象徴となっている右目を強調したポスターを製作し、デモを支持している」という考えを抱かせたのです。


今回の事件について、ティファニー側はポスターの撮影は5月に行われたもので、政治的な意図は全くなかったと説明。これ以上誤解を招かないようにと、ポスターの配信を削除するなどの対応に追われています。


NBAAmazon、COACH、ベルサーチなど、これまで多くの企業や団体が香港に絡む発言やデザインが原因で、中国国内で厳しい批判の的となってきました。海外からは中国のこうした態度に、言葉狩りではないかという声も高まりつつあります。香港を巡る場外戦が今後も様々なところで頻発していくのかもしれません。