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座席を巡るマナー、中国では逮捕者まで!

電車やバス、航空機など公共交通機関におけるマナーは常に論争の的となるテーマです。実際、個人的な体験としても、駅員に暴言を吐いたり暴力を働いたりする、座席を占領する、キセルをはたらくなど、マナーの悪い人々に度々遭遇してきました。こうした交通機関におけるマナー違反は、中国でも深刻な社会問題となっており、政府はブラックリストを作成するなどして取り締まりを強化してきました。


その中国で、深セン市が起草中の条例に注目が集まっています。成立が見込まれているのは『深セン経済特区文明行為促進条例』と呼ばれる条例で、具体的には「交通機関の秩序を乱した者は1年間、交通料金を通常の5倍とする。また、海外への出国を1~3年間禁止する」という極めて厳しい罰則でマナーの向上を促すというものです。

 

今回、このような条例が起草された背景には、以前からもお伝えしている、“覇座”と呼ばれる座席を占領する行為が多発していることや、交通機関で座席を巡り暴力事件が相次いでいることがあります。


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《女性優先の車両も用意された。》

 

このため、こうした交通機関におけるマナー向上の動きは、深セン市だけに限ったことではありません。もともと電車やバスの中、大きな音量でゲームや音楽を聴いたり、ハンズフリーで電話する人などが多い中国ですが、最近こうした“スマホ騒音”も迷惑行為として認識されるようになってきました。北京では今年1月、電車内での“音”を巡り、乗客同士がケンカとなり、一方が失明する、という事件まで発生しています。こうした事件を受け、北京市蘭州市は、交通機関内では、人の迷惑になるような音を出してはいけないという条例を制定。昆明市でも先月20日から、同様の条例が成立しました。


これまで中国は世界中から「経済の発展にマナーが追い付いていない」と指摘されてきました。法律や条例によって、マナーの改善を図る中国。今後、文明国家として国民のマナーレベル向上が進むのか、その行方に注目が集まっています。