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台湾で建国記念日、来年の総統選を占う演説の内容とは

中国では今月1日が建国記念日国慶節でしたが、台湾は本日、双十節と呼ばれる建国記念日を迎えました。中国と台湾の建国記念日の由来の違いについては、以前このブログでも紹介したことがあるかと思います。(参考記事)

 


さて、その台湾で行われている双十節の祝賀行事ですが、今年は来年1月11日に開催される台湾総統選挙を意識した内容となっており、現台湾総統蔡英文氏は次のような演説を行いました。

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「中国は日毎に台湾へと迫ってきています。台湾はこれまで挑発することも、むやみな行動もせず、平和と安定を堅持してきました。しかし、中国は台湾に対する政治的圧力を強めています。台湾国民は今こそ強く結束しなければなりません。台湾は中国の主張する一国二制度を拒否します。これが中華民国台湾の共通認識なのです。」
 

 


このように、改めて一国二制度を強く否定した蔡英文氏は、台湾独立を堅持する固い意志を表明しました。一方、現在野党の台湾国民党は、来年の総統選で蔡英文氏と一騎打ちになる見通しの現高雄市長、韓国瑜が同じく演説を行い、「中華民国は建国108年を迎えました。その間、軍閥闘争、抗日戦争、国共内戦を戦い抜いてきました。こうした過程を振り返れば、台湾が素晴らしい国家であることは言うまでもありません。しかし、民進党はこうした国民党の歴史を軽視しており、教科書の内容を改竄し、国民党の功績を盗むような行動をするようになっています」と、総統選を意識し、民進党への批判を強めた内容となっており、中国にはほとんど言及しませんでした。

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現在、台湾では香港の現状に危機感を覚える人が多く、中国からの独立志向が強い民進党、つまり蔡英文氏を支持する市民が増えており、直近の選挙前アンケートでも蔡英文氏支持の声が対立候補の韓国瑜を大きく上回っています。

 

 

来年1月の総統選の結果は、今後の台湾の未来を大きく変えるものとなるため、注目度が高まっています。日本の将来にも大きな影響を及ぼす台湾総統選。ぜひ皆さんにも注目してほしいと思います。