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無印良品が中国で非難の矢面に、きっかけは3文字

MUJIロゴマークでもおなじみの無印良品ですが、一昨日から中国で大きなバッシングに遭っています。その原因は公式SNSで発信した3文字の言葉でした。

 


今月10日、無印良品の上海店では一般市民に向けたウォーキングイベントを開催していました。無印良品は、上海市内の旗艦店を起点に、市内をウォーキングするイベントの開催をウェイボー(中国版Twitter)で、呼びかけていたのですが、ウォーキングルートの説明文の中で、“法租界”という言葉を使用してしまったのです。

 

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無印良品が投稿した今回の文書》 

 


法租界とはつまり、フランス租界地を意味する中国語で、中国人にとっては屈辱的な歴史を思い出させる言葉なのです。

 


1840年代の中国(清時代)は、イギリスとのアヘン戦争に敗戦し南京条約を締結し、その結果、上海にイギリスの租借地ができました。その後、1844年にはアメリカと望厦条約を、同年、フランスとは黄埔条約を締結し、上海は列強各国に占領された歴史があるのです。

 


今回の事件が起こった無印良品の上海店は、淮海という地区にあり、ここは当時のフランス租界の地域だったのです。そのため、店舗の場所を“法租界”と表現してしまったのです。

 


今回の事件を受け、中国では国営メディア・人民日報なども強く反発し、中国人民の感情を深く傷つけたとして無印良品に対して厳しい文調で批判しています。

 


今回の中国での批判を受け、無印良品は声明を発表し、「中国の歴史や文化に対する尊重の気持ちが足りなかったために、多くの中国国民の感情を傷付けてしまいました。申し訳ありません」と、謝罪する事態となってしまいました。

 


租借地時代の上海は、アジアと西洋文化が融合し、華やかでオシャレなイメージ(老上海)を持っている人も多いと思いますが、その一方では、中国人の中には屈辱的な歴史として認識している人が多いことも事実です。中国人とビジネスや交流をする中で、実はこうした何気ない話題や言葉が地雷となってしまうことがあるのです。今回の事件が不買運動などへ発展しなければ良いのですが。