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国慶節を記念した愛国映画が大ヒット

今月1日建国記念(国慶節)を迎えた中国では、同日行われた大規模な軍事パレードや、習近平国家主席の演説などからも分かるように、「偉大な中国の復興」、「中華民族の強さ」などのスローガンを掲げ、愛国心の強化を進めています。こうした動きは中国の映画界からも分かります。


国慶節前の9月30日に公開された中国映画「我和我的祖国(私とわが祖国)」、「中国機長(キャプテン)」「攀登者(這い上がる者)」の3本は興行収入が、公開から4日で25億元(約400億円)を記録しました。中でも「我和我的祖国(私とわが祖国)」の人気は高く、11億元(176億円)という驚異のヒットとなっていますが、この映画は建国70周年を記念し制作されたものなのです。

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この映画は、1949年10月1日の中国建国を支えた人々や、繁栄後の中国で暮らす人々の生活にスポットを当てており、一般市民の観客が感情移入しやすいよう工夫されています。いわゆる愛国的側面が強い作品ですが、10月1日の国慶節に合わせ、アメリカ・オーストラリア・ドイツ・ニュージーランド・オランダ・シンガポール・香港・マレーシアなどでも公開が始まっています。気になる映画の評価ですが、中国の映画評価サイトでは、評価した47万人のほとんどが10点満点を付けており、平均点が9.7点という驚異の評価を得ています。当然このあまりに出来すぎた評価には様々な意見がありますが・・・。

 

映画の大ヒットは中国国営メディアなどでも大きく報じられ、中国政府が海外に向け国民の愛国心の強さをアピールしたい狙いがあるとみられます。教育部(文科省に相当)が学校を通じ、愛国心を育てる幼児向け番組の視聴を児童や保護者に促すなど、愛国心強化の動きが活発化している中国。今後建国100周年に向け、こうした動きはますます強まっていくのかもしれません。