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習近平氏の来日を前に、日中フォーラムが開幕

今日、第15回北京―東京フォーラムが北京で開催されました。本日から2日間の日程で、日中間の安全保障や外交に関する課題が話し合われます。日本の代表は福田康夫元総理、中国の代表は前駐日本大使で現在、中国外交部トップの王毅外相が務めています。では具体的にどんな内容が話し合われているのでしょうか。

 

 

 



 

福田康夫元総理は「世界的に情勢が不安定にある中、日中の協力関係の更なる強化が必要である」と言及。王毅外相は、来年春、12年ぶりの国家主席訪日となる習近平国家主席の訪日に触れ、これをきっかけに、日中関係が新たな時代に突入すると強調しました。

 

その一方で王毅外相が、「歴史問題や台湾問題について約束を守り、決して後戻りするようなことがあってはいけない」と、日本に厳しく釘をさす場面も見られました。

 

中国側のこうした発言の裏には、来年1月11日に行われる台湾総統選への警戒感があるとみられます。

 

「一つの中国」を目指す中国は、この台湾総統選を非常に注視しています。大規模デモをきっかけに香港で反中感情が高まっていますが、台湾はこれまで香港市民に同情的な立場を示してきました。さらに、香港デモの様子を目の当たりにした台湾市民の間からは、軍事介入を辞さない構えの香港・中国政府に対する反発の声を上げています。

 

その結果、台湾では中国とは距離を保ってきた与党の民進党だけでなく、中国に寛容的だった野党の国民党でも中国に対する警戒感が強まりました。このため、来年の総統選の結果によっては、中国は台湾に更なる政治的・軍事的圧力を加えていくとみられます。

 

 

一方、日本は政治的・経済的・思想的に台湾と密接な関係を保ってきました。そうした日本の存在は台湾統一を目指す中国にとって非常に大きな障害となります。王毅外相の発言は、そうした状況に対する危機感の表れでもあるのです。