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桂林航空、ピース女による影響続く

先日このブログでもご紹介した、飛行中のコックピットで女性が記念写真を撮っていた事件を受け、ついに当局が捜査を開始しました。(参考記事)
 
11月5日、問題の桂林航空の機長は、飛行中に第三者をコックピットに招き入れたとして飛行免許剥奪となり、職務の無期限停止が言い渡されました。また事件の責任者として、桂林航空の会長、社長など役員5名が処罰されたほか、事件当日、この航空機に搭乗していた複数のスタッフも12ヶ月の職務停止処分となっています。
 
 
《事件のきっかけとなった今回の写真》
 
中国国営メディア・人民日報(ネット版)は今月4日、今回の事件について「同じ機長でもここまで差があるのか。今回の事件は全く同情の余地がない。職務における教養、道徳、プロフェッショナルに欠ける。こうした行為は四川航空の機長と比べると雲泥の差だ」といったコメント。今回の事件を引き起こした機長を厳しく批判しています。
 
人民日報が挙げた“四川航空の機長”とは、昨年5月、乗客を乗せ重慶からラサに向かって飛行中、操縦席の窓ガラスが破損するも、手動操縦で緊急着陸を成功させ乗客119名の命を救った四川航空の機長を指しています。この機長は“英雄”として大々的にメディアに報じられ、今年10月には同事件を題材とした映画「中国機長(キャプテン)」も公開されました。今回の事件は、こうした航空機の機長に対する敬意が高まる風潮ので起きてしまったのです。
 
桂林航空を所有する桂林旅游社の株価は事件発覚後から急落し、今も事件の余波は続いています。またコックピットで写真を撮った女性は、「人肉検索」と呼ばれるネットユーザーによる個人情報の特定が行われています。SNS上で優越感や自己顕示欲を得たいがために発生した今回の事件。その代償の大きさを本人は予測できていなかったのでしょう。