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香港デモ、人民解放軍の本格投入の予兆

これまで市街地で行われていた警察隊との衝突が大学校内へと移りつつある香港の大規模デモですが、先週には香港中文大学で火炎瓶を持った学生デモ隊と催涙弾で応戦する警察隊により校内で大規模な火災が発生するなどますます激化の様相を呈しています。さらに昨晩から今日未明にかけ、香港理工大学でもデモ隊と警察隊の衝突が発生しました。弓矢などを使用して警察に火炎瓶を撃ち込む学生デモ隊の姿も確認でき、もはや戦闘状態と言える争いが繰り広げられています。
 
こうした事態を受け、ついに中国政府が人民解放軍の投入へ向けた具体的な動きを見せています。昨日16日午後3時頃、香港九龍塘地区では人民解放軍香港駐留部隊の隊員がデモ隊と警察隊との衝突によって路上に散乱した障害物やゴミを撤去する姿が確認されました。隊員たちは半袖半ズボンやバスケットユニフォームといったラフな出で立ちで作業を行っていましたが、その背景には香港市民の感情を和らげたいという狙いがあると見られます。
 


《香港現地メディア・東網》
 
この人民解放軍の投入ですが、今回はあくまでボランティア活動という位置付けで行われました。しかし、人民解放軍の出動は香港政府の要請によるものではなく、自主的に行われたものだったため、香港市民の間からは人民解放軍による本格的な武力鎮圧の前触れではないかと危険視する声も上がっています。
 
香港当局は記者会見の場で、「香港の大学はデモ隊による武器製造工場と化している」と話しており、今後も鎮圧に向け強い態度で臨むとしています。デモ発生から間もなく9ヶ月が経とうとしていますが、人民解放軍が存在感を示し始めた今、さらなる激化が予想されています。