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イランとアメリカの衝突、最も利益を得るのは中国?

今月3日、アメリカ・トランプ大統領は、米軍がイランの精鋭部隊・革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことを明らかにしました。これに対し、イランの最高指導者ハメネイ師は「犯罪者には厳しい報復が待ち受けてそいる」と述べ、報復措置を採る構えを見せています。


Twitterで「第三次世界大戦」がトレンド入りするなど、戦争の始まりを予感させるような雰囲気となった今回の衝突。かは、中国はこれに対し、どのような動きをみせているのでしょうか。

 

イランとアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・中国・ロシアの7ヵ国は2015年7月、核合意を行い、イランは経済制裁緩和と引き換えに、核開発の制限を約束しました。しかし、2018年、トランプ政権はイランとの核合意には欠陥があるとして核合意から離脱を宣言。イランへの経済制裁を再開し、両国の関係は悪化の一途をたどっていました。


一方、イランと中国の関係ですが、イランにとって中国は最大の石油輸出国です。この数年、アメリカとの関係が悪化していたイランは、その中国と接近を図り、昨年6月には、イランのロウハニ大統領が習近平国家主席と会談。今後も両国が友好関係を継続していく姿勢をアピールしていました。

 


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習近平国家主席とイランのロウハニ大統領と会談の様子》


そうした中で起きた今回の衝突。中国外交部の報道官は本日6日、記者会見を開き、次のような公式見解を述べました。


アメリカは一方的に核合意から離脱し、国際法や国際義務を無視し続けている。イランへの極端な制裁が、イランの核問題を緊迫させている根源となっている」と、両国の衝突の原因がアメリカ側にあるとして、アメリカの対応を厳しく非難したのです。


中国がイランを支持する姿勢を示したことで、中国・イランの関係はより接近していくことになるでしょう。現代版シルクロード「一帯一路構想」の実現を目指す中国は、一帯一路の重要拠点となる中東地域で友好国を増やし、中東での影響力を高めたいと考えています。イランとアメリカの衝突で最も利益を得るのが誰なのか。しっかり見極めなければなりません。