アメリカ国連大使の突然の訪台中止、国民党内部で異変?
昨年の1月11日、台湾で総統選が実施され、独立志向の強い民進党の蔡英文氏が再選となるか、それとも中国との融和路線を主張する国民党の韓国瑜氏が政権を奪還するか、各国が固唾をのんでその成り行きを見守っていました。投票率が74.9%と非常に高かったことに加え、香港に対する中国の対応を危惧する台湾市民が多かったこともあり、蔡氏が57%という高い得票率で韓国瑜氏を破ったことは日本でも大きく報じられました。
その台湾で今、自身の国際的立場を巡り、民進党と国民党の溝がますます深まっているようです。
《民進党委員・陳亭妃氏》
中国との関係を重視する国民党も、アメリカに対する立場については党内で足並みが揃わず、立法院の国民党議員・費鴻泰氏がクラフト国連大使を「悪客(悪党)である」と痛烈に批判する発言を行うと、即座に党が発言の撤回を行うと共に「国民党はアメリカとの関係を重視している」と発表するなど火消しに回りました。
米中対立の激化に伴い、台湾では民進党と国民党の間の溝も深まる一方ですが、国民党内部でも米中に対する認識が分かれつつあるようです。