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中国の学校で教諭が生徒の化粧を強制的に拭き取る?そのわけとは

先日、中国貴州省のある中学校で、女子生徒の化粧を教諭が無理矢理拭き取るという出来事があり、中国で大きな議論となっています。地元メディアによると、事件発覚のきっかけとなったのは、中国国内のネット動画投稿サイトに投稿された一本の動画だったといいます。


動画を見てまると、中学校の校門に男性教諭が立っており、その足元には水が入ったバケツが置かれ、手にはタオルが握られています。そして、化粧をした女子生徒が登校すると、教諭が生徒の顔にタオルをあて化粧をふき取ったのです。報道によると、この学校では化粧をしている学生は校内に入れないという校則があったため、こうした手段に訴えたといいますが、この男性教諭のやり方に対しては意見が二分しています。

 

 

ネット上でも、「化粧くらいのことで無理矢理、生徒の顔をタオルで乱暴に拭き取るのはあまりにかわいそうだ」「中学生は中学生らしく勉強に集中すべきで、化粧をして登校するなど本末転倒だ。学校側の対応に問題はない」など、学生に同情的な意見と、学校側の対応を支持する意見があり、賛否両論です。

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地元メディアの取材に応じた同中学は、化粧をしてきた生徒への対応に、これまでも同様の措置をしてきたことを認めながらも、その経緯について、「学校のあるこの地域は経済的に貧しく、生徒の親の90%が都市部へ出稼ぎに行っているため、家庭できちんとした教育を受けていない子供が非常に多い。実際、一人の生徒が化粧をしてきたことで、他の生徒たちがあっという間に影響を受け、学業そっちのけで化粧に夢中になってしまったことがあった。こうした実情もあり、本来、親が言うべきことや、やるべきことを学校が代わりにやらなければならない。ネット上での批判も分かるが、こうした地域の事情も理解してほしい」と説明し、理解を求めています。


日本でも中学や高校で髪型や化粧などについて厳しい校則を設けている学校が多数あり、今回同様、議論となることが少なくありません。日本の場合、学校側も生徒側もなぜその校則があるのか理解しないまま、伝統ということだけで守っている学校が多いのも現実です。日本の学校にしても今回の中学校にしても、一番大切なことは、学校側がその校則を設けている理由を明確に説明でき、尚且つ生徒との間に生徒がその理由に納得できるだけの関係を築くことなのではないでしょうか。