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来日中の王岐山国家副主席、北海道視察の思惑は?

本日、日本で「即位の礼」の儀式である「即位礼正殿の儀」が執り行われ、世界183カ国の国家元首や代表者がその様子を見守りました。中国から参列したのは習近平政権の経済政策におけるブレーン、王岐山国家副主席です。

 

 

 

 

 

王岐山国家副主席と言えば、中国の中央銀行である中国人民銀行や、国営銀行である中国建設銀行の総裁を務めてきた人物で、アジア通貨危機リーマンショックを乗り超えた功績が買われ国家副主席に任命された、習近平政権きっての経済通です。

 

その王岐山氏の日本での滞在スケジュールについて、中国外交部(外務省に相当)は10月14日に開かれた記者会見で、同氏次のように発表しました。

 

王岐山国家副主席は、即位礼正殿の儀に参列後、安倍総理や政財界の要人と意見交換を行う予定となっている。その後、北海道を訪問する」

 

ここで気になるのは、なぜ中国国家副主席がわざわざ北海道へ視察に行くことになっているのかということでしょう。

 

実は中国の要人が北海道を訪れるのはこれが初めではありません。昨年5月、中国の李克強首相も安倍総理の同行の元、北海道を訪れているのです。この時、李克強首相は、電気自動車や水素燃料自動車を製造する自動車メーカーの工場や農産物の栽培施設を視察。工業や農業における日本の最先端技術への理解を深めました。

 

昨年、李克強首相が視察した北海道に、今度は国家副主席が視察を行う理由は何なのでしょうか。

 

実は中国にとって北海道は、中国の将来を担う最重要地点となる場所なのです。北海道は、広大な土地・水源・貿易港・工業・農業地・リゾートなど、様々な面でポテンシャルの高いエリアです。

 

ご存知の通り、中国は習近平政権樹立以降、中国を主体とする巨大経済バンド「一帯一路構想」を推し進めてきました。一帯一路は陸路と航路を通じ、中国から東アジア・東南アジア・中央アジア・中東・アフリカ・ヨーロッパまで含めた経済帯のことで、中国としてはこの一帯一路の重要拠点として、多岐に渡る可能性を秘めた北海道に強い関心を寄せているのです。

 

 

近年、中国系企業が次々と北海道の土地を買収している背景には、こうした中国政府の思惑が関係しているのです。昨年、そして今年と立て続けに北海道を視察する中国の要人。皆さんにもぜひその裏にある意味を考えて頂きたいと思います。