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香港国家安全法、香港当局がDNAの採取へ

香港で施行が始まった「香港国家安全法」ですが、これにより、すでに300人以上が逮捕され、当局の取り調べを受けています。そんな中、香港メディア・香港01は、同法違反で逮捕された市民が逮捕後どのような処遇となっているのかについて詳しく報じています。

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記事では、香港警察当局が逮捕された男性6名と女性4名は対し、DNAの採取を行ったことが紹介されています。香港当局は、警察での被告の処遇などを定めた「警隊条例」の59条を根拠に、DNA採取を実施したといいますが、その59条には、「事件内容が深刻な場合、警察は犯人のDNAを採取し、そのデータを永久に保存できる」と謳われています。


今回、DNAを採取された10名はいずれも公共の場で「光復香港、香港独立」といった、中国からの独立を訴えるスローガンを掲げたり、呼び掛けたりしていたとされています。「香港国家安全法」では、このような行為を、国家分裂を扇動する行為であると定義し、最高で終身刑を科すことができると定めているのです。


香港当局はさらに、今回逮捕された活動家メンバーが所持していた携帯電話なども押収、関係者の捜査を行っていると報じられています。これにより、民主活動に関わったとして今後、更に多くの市民が逮捕されることになるでしょう。


これまで多くの国で、民主主義を勝ち取るための、生命をかけた長い戦いが続けられてきました。しかし、150年という長きに渡り民主主義と共に歩んできた香港も、わずか数日あまりでその姿を全く変えてしまいました。私たちの知る香港は、もうすでに存在していないのかもしれません。