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アメリカが中国人スパイの逮捕を発表

在米中国領事館が知的財産権の侵害などのスパイ行為を支援していたとして中国を強く非難してきたアメリカは政府は今月、ヒューストンにある中国領事館の閉鎖を決定、さらにサンフランシスコの中国総領事館に匿われていたという中国人女性研究者の身柄を拘束したことを明らかにしました。


報道によると、身柄を拘束されたのは生物学専攻の研究者、唐娟容疑者で、中国人民解放軍所属であることを隠し、研究者向けのビザでアメリカに滞在していました。アメリカ検察当局は、ビザ取得時に経歴を詐称していた唐娟について、次のように明かしています。


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「唐娟は昨年10月、米カルフォルニア大学デービス校で研究員として勤務するため、ビザの申請を行った。しかしその際、軍隊と関係があるという身分を隠していた。今年6月、FBIが彼女と面談した際も、そうした事実を隠していた。その後、捜査当局は彼女が人民解放軍の軍服を着用した写真を発見、軍隊と関わりのあることを証明する資料も発見した」


アメリカ現地メディアは、唐氏は6月に行われたFBIとの面談後、サンフランシスコにある中国領事館に身を隠していたと報じています。現地時間27日14時、同容疑者はカルフォルニア地方裁判所に初出廷し、容疑を否認しましたが、裁判所は逃亡の恐れがあるとして保釈を見送りました。


唐氏の弁護士は、「アメリカ当局は写真を証拠に唐氏を逮捕したが、その写真が示す意味を判断するのは時期早々だ。ビザ申請時に何らかの誤解が生じた可能性がある」としています。アメリカ当局はこの他にも3名の中国人をスパイ行為などの疑いで拘束ししていることを明かしています。


ニューヨークタイムズは2017年、「2010年から2012年にかけ、中国で情報収集などを行っていた米CIAの関係者が少なくとも12名中国当局に殺害された」と報じました。こうした事件の影響もあり、アメリカ政府は今回逮捕した唐容疑者の顔写真まで世界に公開することで、米国内でのスパイ行為を抑止すると同時に、中国政府を牽制したと見られています。


今後、米中間ではスパイの逮捕合戦も激化していくのかもしれません。知的財産や軍事機密が狙われている日本も国として対応が急がれるところでしょう。