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領事館閉鎖を通達したアメリカ、偶発的な軍事衝突の可能性も

今月22日、アメリカ政府が突如ヒューストンにある中国領事館の閉鎖を発表し、米中関係に緊張が走っています。


アメリカ政府は、在ヒューストン中国領事館がスパイ活動の拠点としてアメリカの知的財産権を侵害してきたことや、個人情報の保護を理由に領事館閉鎖を言い渡したのです。一方、アメリカ政府から72時間以内に領事館を明け渡すようにとの通達を受けた中国領事館は、館内で大量の書類を焼却処分しました。このため、同領事館内部に機密資料があり、それらを急いで処分したのではないかと伝えられています。

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中国外交部は今回のアメリカ政府の対応に対し、「国際法を無視した、米中関係を破壊する行為である」と厳しく非難。中国政府は現在、報復措置の検討に入っているとされ、今後、在中国アメリカ領事館の閉鎖などが言い渡される可能性が高まっています。一方アメリカは、国内にある他の中国領事館の閉鎖についても含みを持たせており、緊張関係はしばらく続くものと予想されます。

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こうした中、1985–1989まで中国でアメリカ大使として勤務していたウィンストン・ロード氏が、米中間の突発的な軍事的衝突の可能性に言及しました。

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同氏はメディアの取材に対し、「ヒューストンに中国領事館が出来てから41年になるが、領事館の閉鎖は初めてのこと。米中が直接戦争を行う事態になる可能性は極めて低いが、南シナ海や台湾周辺の海域で偶発的な軍事衝突が起こる可能性は考えられる」と指摘したのです。

 

南シナ海や台湾海域などで積極的な軍事的拡張を続ける中国。万が一、こうした地域で米中による偶発的軍事衝突が起これば、米軍基地のある日本も、間接的に巻き込まれる可能性が高いでしょう。地政学的観点からも、米中関係の悪化が日本に多大な影響を及ぼすことは疑いのない事実です。我々はそのことを決して忘れてはならないでしょう。