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香港の大学生、台湾への留学が顕著に。人材の流失が止まらない

皆さんも御存知のように、香港を取り巻く環境は日を追うごとに厳しいものとなっています。すでに香港の政治経済は事実上、中国主導で動いているのです。
 
香港では昨年、多くの若者が自由を求め民主化デモを行いました。一部が暴徒化したり警察隊による武力鎮圧が日本のテレビなどでも報じられ、ショックを受けた人も多かったのではないでしょうか。こうした中、香港の若者の生活にも大きな変化が起きているようです。
 
 


台湾政府直属の行政機関・台湾大陸委員会は本日19日、2021年に香港から台湾に留学する学生の数が急増していると発表しました。公表された情報によると、来年度、香港から台湾への留学を予定している学生は確定しているだけで3093人に達し、今年度の2463人から大幅に増加する見通しです。
 
背景には“学問の自由”を巡る問題があると考えられます。ご存知のように、香港では中国政府や政権を批判的に書いた書籍などが次々と書店などから姿を消し、こうした禁書書籍を扱ってきた書店関係者が中国当局に拘束される事件も起こっていました。
 
これまで政治的立場にとらわれない自由な環境で学んできた香港の学生たちは、こうした事件に危機感を持っていたのです。
 
台湾の蔡英文政権は今年5月、「香港の人々を援助していく」と表明、香港からの移住者を受け入れる政策を打ち出しました。こうした蔡英文政権の政策に共感した香港の学生たちが次々と台湾への留学を申請しているのです。
 


 
台湾にとっても英語に堪能な香港の学生たちの留学は、優秀な人材の確保にも繋がります。この機会を経済面にも活かしたいと考えていることでしょう。国際的な金融拠点だった香港にとってかわりたい、という狙いもあるのです。香港の支配を進める中国ですが、優秀な香港学生の流失は避けられそうにありません。