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中国の食品出前配達員が食品に唾を吐きかける、そのわけとは?

日本で2016年にサービスを開始した「UberEATS(ウーバーイーツ)」は導入から3年が経過し、様々な問題点が浮き彫りになってきました。ウーバーイーツでは今月、配達員たちが労働条件の改善を求め労働組合の設立に向けた集会を開催する一方、配達員と注文客とのトラブルも発生しています。今月話題になったのは、30分遅れで料理を届けた配達員が、受け取りを拒否した客の住居の共有部分に料理を投げ捨てたという事件。労働環境や配達員の管理を巡っては、まだまだ整備が進んでいないのです。
 
 
実は中国では今、こうした出前産業が急成長を遂げており、その市場規模はおよそ10兆円に達しました。中国人にとって出前は日常生活に溶込んだサービスとなっており、スマートフォンに出前アプリを3つ、4つ入れている人も少なくありません。しかし日本同様、配達員と客との間でトラブルが多発。今月16日も上海市でも客とのいざこざがありました。メディアによると、この配達員は、出前を注文した客が住む高層マンションに到着した際、客からとんでもない要求を突きつけられました。なんと「階段を使って上層階の部屋まで持ってこい」と指示したのです。これに反発し、食品の中に唾を吐きかけた配達員。しかも自ら唾を吐きかける様子を動画で撮影し、SNSサイトに投稿したことから事件が発覚したのです。
 
中国のネット上では「配達員が食品に何か手を加えようと思えば何でもできる。こんな事件見たら気持ち悪くて二度と出前は頼めない」「配達員のことを下に見ている客も多く、わざと嫌がらせをするような客が多いのも事実」など、様々な声が上がっています。
 
今回の事件を受け、この配達員が所属する出前アプリの運営企業は謝罪と共に「配達員のアカウントはすでに削除し、現在本人から話を聞き社内調査を行っている」との声明を発表しました。同様の事件が珍しくない中国。今後は、配達員と客の間で発生するこうしたトラブルに、運営企業がどのように対処し再発防止に努めていけるのかが重要となっていくことでしょう。