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中国が投稿したYouTube動画に年齢制限の警告?

先日もお伝えしましたが、「中国の新疆ウイグル自治区にあるウイグル族専用の強制収容所施設で、いわゆる“中国人化教育”が行われている」として、アメリカ下院議会がウイグル人権法を可決しました。

 

これを受け、中国政府は即座に反論。収容施設はウイグル族イスラム教過激派によるテロ行為を防ぐためであり、アメリカ議会のウイグル人権法可決は内政干渉であると説明しています。

 

世界各国のメディアが、中国政府のウイグル族弾圧を報じる中、中国政府は今月10日、海外向けの国営メディア・CGTNのアカウントからある動画をYouTubeに投稿しました。参考記事

 

ウイグル族への政策を正当化する狙いで動画を投稿した中国でしたが、今日になり突然、YouTubeの運営側から不適切動画として年齢制限の警告表示が示されるという事態になっています。

 

《警告表示となっているが現在ではすでに削除されている》

 

 

気になるその理由ですが、なんと多数のYouTubeユーザーから内容が過激だとのクレームが寄せられたため、というお粗末なものでした。

 

クレームの中には、ドイツの音楽祭、“Morgenland Festival Osnabruck”で使用されていた楽曲が許可なく動画のBGMに使われているというものも多数あったと言います。

 

本来、中国のような社会主義国は、国家機密を巡る情報戦や他国の情報の収集に長けているものですが、国家の威信をかけ投稿した動画がYouTube運営側から不適切動画に指定されてしまう、という信じられない失態を犯してしまったのです。

 

香港人権法に続き、ウイグル人権法が間もなく署名されるなど、海外諸国からの非難が高まりつつある中国。今後は、YouTubeへのアクセスを禁止しているにも関わらず自身がYouTubeを使用している政府に国内からも不満が噴出するやもしれません。YouTubeからも中国政府の焦りが分かるのではないでしょうか。