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微信(ウィーチャット)での投稿が原因で懲役9ヶ月?

中国版LINEとも言われる中国最大のSNSアプリ「微信(ウィーチャット)」をご存知でしょうか。中国人の知り合いがいる人や、中国企業と取引がある人であれば利用している人も多いかと思います。中国では最近、プライベートからビジネスまで、広くこのウィーチャットが浸透しており、連絡ツールとしてだけでなく、スマホ決済ツールとしても利用され、中国社会になくてはならない存在となっています。
 
 
 
ただ、約11億人のユーザーを抱えるこのウィーチャット、過激な冗談は通用しないようです。中国北京の人民法院(裁判所)ではこのほど、テロリズムおよび過激主義思想を宣言したとしてある男性に9ヶ月の懲役および1000元(約1万6000円)の罰金が言い渡されました。
 
事件のきっかけは男性が友人たちとウィーチャットでグループチャットをしていた時のある行為でした。男性は冗談のつもりでウサマ・ビンラディンの写真を自身のウィーチャットアプリのプロフィール写真にしていました。さらに男性はグループチャット内で、悪ふざけで「俺とISIS(自称イスラム国)に入ろう」などの文章を投稿していました。
 
この投稿が、公安当局によって捜査対象となったのです。公安当局はイスラム過激派主義の男が中国国内でテロリズムを宣言したとみなし、この男を逮捕しました。中国では2015年11月1日の刑法(刑法修正案(九))改正から「恐怖主義・極端主義(テロリズムおよび過激主義思想)を宣言することは犯罪行為」とされており、男性はこれに該当する行為をしたとして逮捕されたのです。
 
日本にも浸透し始めているウィーチャットですが、このような目に遭わないためにも、その会話内容には十分注意しなければなりません。中国では現在、香港問題やウイグル問題など多くの国内問題を抱えており、当局もこうした話題には敏感になっているとみられます。ウィーチャットの使用には、こうした点にぜひ気を付けてほしいと思います。