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受験シーズンを狙った詐欺事件が発生

今月初旬、中国では大学入試が終了し、9月の入学に向け、入学手続きに追われる学生の姿が目立ってきました。そんな中、中国で大学入試を巡る詐欺事件が多発しているようです。こうして詐欺事件は今に始まったことではなく、2017年には、受験生やその保護者数百名が巻き込まれ、300万元(約5000万円)もの被害が報告されました。

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《受験生や保護者へ詐欺行為をしていた組織のアジトから押収された証拠品》


【偽リンク詐欺】

大学入試が終わる頃になると、受験生やその保護者に向け「採点結果」と題したショートメールを大量に送ってくることがありますが、これも詐欺。ショートメールの中にあるリンクをクリックしてしまうと、スマートフォンがウイルスに感染してしまい、スマホ内の個人情報が抜き取られてしまいます。最終的には電子決済情報なども盗まれ、多額の金銭が引き落とされる、といったケースも少なくありません。


点数操作詐欺】
毎年、多くの受験生や保護者が騙されるのがこの点数操作詐欺です。詐欺グループは、ネットやSNSに広告を流し、「ハッキング技術を利用し、大学入試事務局のシステムに侵入することで入試の点数を改竄できる」と呼びかけるのです。実際に改竄を依頼すると、金銭の振り込むみを要求され、振り込んだ途端、組織は姿をくらましてしまいます。


裏口入学詐欺】
これも毎年発生しているお決まりの詐欺事件です。詐欺組織は名門大学の関係者やブローカーを名乗り、受験生の保護者に接触し、裏口入学保証金・寄付金などの名目で多額の金を要求し騙し取るという手口です。点数操作詐欺同様、被害者も後ろめたい気持ちがあるため、事件が発覚しにくいことも特徴です。


【劇場型詐欺】
そして最近急増しているのが劇場型詐欺事件です。詐欺グループは、大学の職員を装い、偽造した実在の大学の合格証や入学手続き資料を受験生に送ります。受験生は自分が合格したと勘違いし、偽造された資料に書かれた銀行口座に入学金や寮費などを振り込んでしまうのです。詐欺組織は本物の大学そっくりに模倣した偽の公式ホームページまで作成しており、非常に計画的且つ狡猾な詐欺事件と言えるでしょう。


国営メディアなども注意を呼びかけている、中国のこうした詐欺事件。受験シーズンが終わったばかりのこの時期、今も日本では考えられないような詐欺が行われているかもしれません。