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中国での少年法改正、12歳から刑事責任の追求が可能に

先日もお伝えした通り、中国で日本の少年法に当たる“刑事責任年齢”の改正が加速しています。昨年10月、中国大連で、13歳の少年が10歳の女児を残忍な手口で殺害し、遺体を遺棄するという残忍な事件が発生しましたが、少年が明確な謝罪の意思を見せず、少年の両親も裁判で命じられた賠償金の支払を行っていないことから、中国国内で刑事責任の対象年齢を引き下げるべきだという声が高まったからです。
 
 
現行の中国の“刑事責任年齢”では、犯罪行為の内容に関わらず、14歳未満の未成年者には刑事責任を問えません。しかし、前述の事件以降、中国では刑事責任の年齢引き下げに大きな関心が寄せられてきました。また、法案の起草や改正を議会に提案する機関・法制工作委員会は、今月開催した記者会見で、事件以降、始めて刑事責任の対象年齢引き下げに言及したことから、さらに注目が集まっていました。
 

《法改正の草案について新華社通信が伝えた》
 
同委員会は昨日13日、刑事責任の対象年齢について、「故意の殺人・傷害などの凶悪犯罪については、12歳以上14歳未満の未成年者でも、最高人民検察院(日本の検察地に相当)の審査の如何によっては、刑事責任を問えることとする」という内容で調整していることを明らかにしました。
 
昨年発生した大連の殺人事件で、少年に対し刑罰が一切科せられなかったことから、当局への不満が噴出していた訳ですが、今回の草案が発表されると、中国のネットユーザーからは「ついに国が動いた。例え子供でも殺人を犯したのなら絶対に罰を受けるべきだ」、「この法改正にたどり着くまでに一体何人の命が犠牲になったのだろうか」、「当局の努力を評価する」など、法改正を支持するコメントが相次いで寄せられました。
 
今回の中国の少年法改正は、世論の声が大きな影響を与えたと言えるでしょう。中国は満年齢制であることから、日本の年齢に例えれば11歳でも刑事責任を問われることになるのです。少年法改正に揺れる日本でも、こうした中国の事例は参考となるのではないでしょうか。