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ジャック・マー、再教育による思想改造の可能性も

 

日本経済新聞社傘下の経済誌「ファイナルタイムズ」がこのほど、中国アリババグループの創業者で元CEOのジャック・マー(馬雲)氏が行方不明となっていると報じました。
 


 
台湾メディアによると、ジャック・マー氏は昨年11月、アフリカ大陸の起業家を支援するイベントに出席予定でしたが、このイベントに姿を現さず、アリババの関係者は日程調整が合わなかったと説明していたといいます。
 
これまで頻繁に更新されてきたジャック・マー氏のSNS・ウェイボーを確認すると、最後の更新は昨年10月17日。内容は児童教育に関するものでした。マー氏が姿を消し2ヶ月以上が経緯している訳ですが、行方不明になる直前の10月24日、金融フォーラムの場で演説したマー氏は、中国政府の金融政策を痛烈に批判し、その後、政府や当局とトラブルになった可能性が指摘されていました。
 
《最後の投稿》
 
今回の事件について台湾メディアは、自宅やホテルなどで軟禁されている可能性や、逮捕の可能性を報じています。その根拠の一つにあるのが、中国の実業家・任志強の存在です。任志強は中国の大手保険会社や不動産会社で取締役や会長を務めてきた人物で、共産党員として北京市政治協商会議のメンバーにも選任されていました。
 
しかし、新型コロナウイルスの対応について、習近平政権や共産党を批判するコメントをSNS上に投稿したことから、汚職の名目で逮捕され、懲役18年の刑が言い渡されたのです。中国では有名実業家や共産党幹部であっても、政権や党に逆らえば、軟禁されたり、任志強のように逮捕されることは珍しくありません。
 
このため、マー氏もすでに当局によって軟禁され、“思想改造”などの再教育を受けている可能性があります。思想改造とは、共産党の正当性やマルクスレーニン主義などについて、専用施設などで再教育されることを意味しています。マー氏が再び姿を現した時、或いはその人格までも変えられてしまっているかもしれません。