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中国の新卒者初任給、日本に肉薄!業界によって差も目立つ

厚生労働省がこのほど「令和元年賃金構造基本統計調査結果の概況」を公表し、日本の大卒の初任給が男性で21万2,800円、女性で20万6,900円であることがわかりました。一方、お隣中国では、上海市の大卒の初任給が7,103元(約11万2,800円)でした。(上海市人事社会保障局公表データ)
 
このように中国の初任給は日本のおよそ半分しかありませんが、金融経済を専門に学ぶ“財経系大学”の卒業生の初任給は大きく上昇しているようです。
 
中国メディアによると、中国国内の名門金融系大学である“中央財経大学”が卒業生の平均初任給額を公表、学部新卒者が9674.22元(約16万円)、院新卒者が10238.84元(約17万円)と高水準であることがわかりました。
 


 
さらに注目すべきは業界別の初任給です。同大の公表したデータによると、証券業界は12000元(約19.8万円)、不動産業界は10789元(約17.8万円)。日本の初任給に肉薄している実情が浮かび上がってきたのです。
 
中国では全体的な傾向として、金融系や理工系など専門知識や技術を身に付けた新卒者への給与がこれまで以上に高まっています。中国通信機器大手・ファーウェイは2019年、優秀な新卒者へ200万元(約3200万円)の年俸を提示しており、各業界が高額な給与で優秀な学生の獲得に動いていることが分かります。
 
日本の企業の中にも、高い報酬で積極的に優秀な中国人の新卒を獲得しようとするところも出てきていますが、中国人の間では、スキルアップや更なる高給与のために、頻繁に転職を繰り返すということが珍しくありません。皆さんの中にも、中国人社員が突然退職してしまったという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
 
優秀な学生が多い反面、扱いが難しい中国の若者。コロナ禍の影響も加わり、今後中国の就職事情も大きく変わっていくことでしょう。