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中国共産党員への警戒が広がる。中国共産党入党は意外と高ハードル

今月14日、オーストラリアのメディア、オーストラリアンは、中国共産党の党員約200万人のデータが流出したと報じました。記事によると、リストの中には、在中国外国領事館や海外企業勤めている党員も散見されたことから、世界中で懸念の声があがっているといいます。

 

共産党員は中国全体で約9000万人いるとされ、14億人という人口を考えると15人に一人が共産党員ということになります。では、中国人にとって「共産党員になる」とはどういう意味があるのでしょうか。

 

中国では政府機関の職員や教師などの公務員になる場合、共産党員であることが暗黙の条件となっています。公務員であっても共産党員でないと、出世が遅かったりとデメリットが多いため、公職者の多くは就職後に共産党員になるパターンも少なくありません。ただ、共産党員になれば当然、共産党の思想や命令に忠実であることが前提となります。こうした点から、世界各国では自国の安全保障を懸念する声が広がっているのでしょう。中国では、共産党員は成績や人柄が優秀であるという証明にもなることから、一般企業に就職する場合でも有利に働くことが多く、大学生が在学中に入党を目指すことも珍しくはありません。では、謎に包まれている中国共産党への入党とはどのようなものなのでしょうか。

 

中国では一般的に大学生の1割が在学中に共産党に入党すると言われています。その理由は、「就職活動を有利に進めるため」や「親が党員だったため」など様々ですが、大学在学中の入党はそんなに容易いことではありません。

 

 

《大学生が共産党に入党するには入党申請書を大学の共産党委員会に提出することから始まる》


そして入学後、まずは学生会などの大学運営組織に所属し、さらにその中で幹部になる必要があります。また在学中の学業成績はトップクラスを維持し、一般の学生から尊敬を集める存在ではなくてはなりません。

中国の大学には、共産党思想を指導する補導員と呼ばれるスクールカウンセラーが駐在しており、入党を希望する学生は4年間にわたり、この補導員から校内での活動や学業成績、道徳的な人物であるかなどを監視され、共産党員に相応しいかの判断を受けます。入党希望学生は、その同級生にも聞き取り調査が行われるなど、徹底的に調査されるのです。

 

 


《大学の共産党委員会が主催する活動にも積極的に参加することが求められる》

今回のデータ流出でますます高い警戒感を向けられている中国。今後、その傾向はさらに広がるとみられ、中国の若者の間でも党員になるか否かで、大きく分かれていくことになるでしょう。