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中国でサルとブタのミックスが誕生、臓器の無限供給が可能に?

中国では近年、遺伝子操作の研究が進められており、昨年11月には南方科技大学の研究室ではゲノム編集を行った双子の赤ちゃんが誕生していたことも話題となりました。生命倫理の観点からも国内外から疑問の声が高まっていました。
 
そんな中今月、中国北京にある“幹細胞与生殖生物学国家重点実験室”では、サルとブタのミックス個体が誕生したことが報じられています。この研究チームでは、サルの幹細胞をブタの胚胎に組み入れ、それを母ブタの体内に戻すという手法で実験が行われました。

《今回誕生したサルとブタのミックス個体》
 
これまでに4000頭の母ブタを使い、サルの幹細胞を注入したブタの胚胎が育てられ、これまでに10頭が出産に成功、その中でも2頭がサルとブタの混合体として誕生しました。つまり、将来的に人間の臓器として移植利用できる心臓・肝臓・脾臓・肺・皮膚を持ったブタの遺伝子を有しながら、霊長類としての細胞をも有した生物が誕生したことになります。
 
今回誕生したサル・ブタの混合体ですが、誕生からわずか1週間ほどで死亡してしまいました。今回の研究チームは、メディアの取材に対して「将来的に人類の臓器移植に貢献する実験だった。臓器の無限の供給が出来るようになる」としていますが、海外メディアからは「生命倫理の超えてはいけない一線を超えてしまった」と、今回の研究を厳しく批判する声も寄せられています。
 
こうした実験が進めば、臓器移植が必要な多くの人が助かる可能性がありますが、そのためだけにこうした個体を誕生させることに危機感を覚える人も多くいるのです。
 
今は健康な人でも、将来的に臓器移植が必要となる可能性は誰にでもあるわけです。今回の出来事も自分には関係がないこととは思わずに、1人1人が考えていかなければいけない問題なのではないでしょうか。