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中国で日本人の顔情報が勝手に売買されている?顔認識システムの危険性

スマホ決済大国となった中国。顔認証決済の実用化も進み、テクノロジー国家として覇権握ろうとしています。先日開業した北京の新空港“北京大興国際空港”では、至るところに中国の最新テクノロジーが使用されており、5G通信と顔認証システムを組み合わせた「顔パス搭乗」も可能になるなど、世界を驚かせました。
 
そんな顔認証、スマートフォンのロック解除などで使っている方も多いのではないでしょうか。中国国内ではその顔認証システムが社会の主流になろうとしていますが、同時にシステムのセキュリティーに疑問の声も上がっているようです。
 
中国では先日、顔認証システムを導入したロッカーが浙江省の小学生に解除されてしまい、大きなニュースとなりました。この小学生は遊び半分で親が使用していた顔認証のロッカーを解除しようと試み、実物大にプリントアウトした親の顔写真をロッカーの認証カメラに近づけたところ、なんとロックが解除され荷物の取り出しに成功してしまったのです。
 
《顔認識システムのロックを解除した小学生》
 
小学生にシステムを破られてしまったのは荷物ロッカー大手「丰巢」。この5年で中国全国に75000ものロッカーを設置し、1.3億人のユーザーを持っていました。今回の事件を受け、「丰巢」の運営側は一度、ロッカーのサービス提供を中止する事態へと発展しています。
 
そんな中、さらに信じられない事件も発生しています。中国で、数万人にも及ぶ不特定多数の顔情報がSNSなどを介して販売されていることが分かったのです。メディアによると、大量の顔写真を販売している業者は、国籍・肌の色・性別・年齢などの条件に応じ、様々な顔写真を所持。数万人もの顔写真は10元~20元(160円~320円)という低価格で違法に販売されていることが分かったのです。
 
《業者は世界中から不特定多数の顔情報を収集しこのように販売していた。本人の知らないところで自分の顔写真が売買されているのだ》
 
皆さんの中にはSNSの顔写真欄に自分の顔写真を設定している人も多いかと思いますが、こうした顔写真情報を収集している違法業者も少なくないことを覚えていてほしいと思います。顔認証システムは最新テクノロジーのように思われるかもしれませんが、2D技術を採用していた場合、前述の顔認証ロッカー同様、顔写真だけでロック解除が可能となります。つまり、顔認証はセキュリティー面に大きな落とし穴があるのです。日本でも様々な分野で顔認証の導入が検討されていますが、ぜひ入念な議論を交わしもらいたいと思います。