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無印良品が中国パクリ企業に敗訴、中国国内からも怒りの声が

国内外で家具、衣料品、雑貨、食品などを販売する店舗を展開し、世界的にも有名な良品計画。現在はホテル事業にも参入し、無印良品MUJIブランドとして、非常にファンの多いブランドです。
 


そんな良品計画ですが、先日報道にもあったように、北京の高級人民法院が今月12日、「無印良品」「MUJI」などの商標を勝手に使用したという中国企業の訴えを認めたため、約62万元(約990万円)の賠償金を支払う事態となりました。つまり、本家である良品計画がパクリ企業に敗訴したのです。「無印良品」を模倣して先に商標登録を行っていた中国の企業は、今も中国各地で営業を続けており、本家の店舗だと勘違いして買い物する客も少なくありません。
 
《左が日本の無印良品、左が中国無印良品、タグまでそっくりである》
 
実は良品計画が、中国で商標登録を巡る裁判に巻き込まれるのは、これが初めてではありません。1999年に良品計画が初めて中国で、「無印良品」の商標登録を行った際、南海南華実業貿易という企業がすでに商標登録を行っていました。そこで良品計画は 2001年、悪意のある商標登録だとして南海南華実業貿易を提訴、その後17年の長期に渡り、商標権を巡り争うことになったのです。
 
その後、南海南華実業貿易は2004年に「無印良品」の商標を、北京綿田紡績品という企業に転売。さらに北京綿田紡績品の関連会社である北京無印良品という企業が、「無印良品」の商標を取得し、中国国内で無印良品という店舗を展開したのです。
 
日本ではにわかには信じられない今回の判決ですが、中国ではこうした事例が山ほど報告されています。そして、その背景にあるのが中国で流行している商標権ビジネスです。
 
中国では一部の組織や企業が、海外で流行しているワードや人気の高い企業名、芸能人の名前などを次々と商標登録し、後にその商標権を高額で販売するという事例が少なくありません。中には、本家企業に対して商標権を高額で売りつけようとする輩もいるというから驚きです。
 
今回の無印良品の判決については中国でも大きく報じられており、ネット上では「え!本物だと思ってよく商品を買っていた店、パクリだったんだ。こんな事がまかり通ってしまったらもう中国に進出しようと思う外資がなくってしま」、「こんな判決を下す裁判所も、こんなことをやってる偽無印も恥ずかしくないのか!世界中に恥をさらしてしまった」など、良品計画を擁護する声も多数寄せられています。
 
無印良品のような被害企業をこれ以上増やさないためには、商標登録の手続きやその過程にもっと細かなチェックを行うことが必要なのかもしれません。ここ数年でようやく著作権や商標権という概念が芽生え始めた中国。裁判所も早く国際的な基準を導入し、真面目にやっている人が損をしない枠組み作りに取り組んでほしいと思います。