周来友ブログ

周来友オフィシャルブログ

中国で上昇する離婚率、少子化改善に政府は?

日本では女性の社会進出や経済的自立、伝統的価値観からの脱却など様々な要因が重なり、離婚率が年々上昇していると言われています。年間60組が婚姻届を提出する一方、20万組の夫婦が離婚。実に3割以上の夫婦が離婚している計算です。

 

 


実はこうした現象、中国でも起きています。中国民政部(総務省に相当)が先日発表したデータによると、中国では2003年から15年連続で離婚率が上昇。2018年には婚姻届を提出したカップルが約1000万組だったのに対し、離婚した夫婦は380万組となりました。中国には結婚生活の難しさを表す言葉に「七年之痒」というものがあります。結婚生活も七年が経過すると、刺激がなくなり浮気心が生じたり、離婚を考えたりしがちだという意味で使われる中国語ですが、今や多くの夫婦が結婚後わずか2年で結婚を後悔しているとも言われています。

f:id:zhoulaiyou:20200101225308j:image

 

中国では人口減少が深刻な社会問題となっていることもあり、こうした現象を少しでも食い止めようと、様々な施策を講じています。今月24日には、全国人民代表大会(立法議会)で婚姻法に関する新たな法案の審議が行われました。この法案は、婚姻届の提出から30日以内であれば、夫婦どちらかの希望があった場合、婚姻届の提出を無効化できるというものです。


こうした法案が審議されることになった背景にはどういった理由があるのでしょうか。中国で数年前に流行語となった言葉に、「闪婚(シャンフン)」という言葉があります。交際期間数日、数ヶ月と言う短い期間で結婚することを意味しています。交際期間が極端に短く、互いのことを理解せぬまま、勢いで結婚する若者がとても多いのです。


一人っ子政策の下、両親や親戚の寵愛を一身に受けてきた若者同士が電撃婚をしたところで、結婚生活を続けていくのが難しいということは、想像に難くありません。今回の法案はまさにこうした中国の若者に対して、離婚歴を気にせず、結婚の機会を多く与えていこうというものなのです。


離婚率を抑え、なんとしても少子化を遅らせたい中国。果たして今回の法案は少子化改善のきっかけとなるのでしょうか。