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新型コロナウイルスによる風評被害が各地に

新型コロナウイルスという名称を巡り、今、世界中で様々な風評被害が起こっています。中国山東省青島市で問題となったのは、道路の名前でした。


新型コロナウイルスを表す中国語は『新型冠状病毒』。メディアなどではこれを略した『新冠』という名称がよく使われていますが、山東省青島市内に偶然、《新冠高架路》という名前の道路があったのです。

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地元政府には「縁起が悪い」、「国民感情を傷つける」といったクレームが多数寄せられ、地元住民の間では道路名を変更すべきであるといった議論まで巻き起こりました。この事態を受け、地元政府は25日、道路名をわざわざ変更することはしない、公式に声明を発表したといいます。


実はこうした問題、日本を含めた各国で起きています。大阪市でホテル事業を展開している「コロナホテル」に対しても、コロナという名称から、ネット上で「縁起が悪い」、「コロナウイルスと関係があるのではないか」、「利用するのが怖い」などという声が上がり、実際にホテルに問い合わせる人もいたようです。当然ながら、単なる風評被害であることは言うまでもなくありません。


さらにメキシコのビールとして最もポピュラーな「コロナビール」も同様の風評被害を受け、この2ヶ月、売上が300億円以上減少したことが明らかになりました。


そもそも、コロナとは「光輪」、「冠状」などを意味する言葉で、ウイルスとは何の関連もありません。にも関わらず、「コロナ」という名称だけで風評被害が起こり、経済的損失までも生んでいるのです。


新型コロナウイルスに関連した風評被害やデマ、誹謗中傷などが起こる背景には、一部ネットユーザーのリテラシーの欠如があるのではないでしょうか。SNS上の根拠不明の情報を精査することなく気軽に拡散したり、コロナという単語に過剰に反応し関係のない企業などと結び付けたりしてしまうような人は、もう一度自分の行為がどのような結果をもたらすのか、またどのような責任を負うことになるのを考えてほしいと思います。