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新型コロナ関連で初の死刑執行へ

今月9日、中国雲南省人民法院(裁判所)ではある一人の男に死刑執行を命じました。実はこの男、新型コロナウイルスを巡り凶悪犯罪を起こした犯人でした。新型コロナウイルス関連の事件で死刑が執行された初めてのケースとなりました。


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事件は2月6日に発生しました。この頃、雲南省紅河県の農村では新型コロナウイルス感染拡大予防のため、村内に監視所を設置し、村を出入りする車両や人の制限や個人情報の記録、感染予防のための宣伝活動などが行われていました。

 

そんな中2月6日、この村に住む馬建国という男は近所に住む住民を誘いカラオケに行こうとしていました。男は車を運転し友人を迎えに行く際、村に設置された車両監視所で監視員と口論になってしまったのです。男は監視所に設置されていた車両止めのゲートを勝手にどかそうとしたため、監視員から注意されたことがきっかけでした。

 

男は監視員が証拠保存のため動画を撮影し始めたことに強く反発し、所持していた折りたたみナイフで監視員2名の腹を複数回刺し殺害してしまったのです。2名の監視員は、出血多量と臓器への損傷が激しく、病院で死亡が確認されました。


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3月1日に行われた裁判では、「新型コロナウイルスの感染拡大防止のために行っていた交通制限を無視し、身勝手な理由で2名の防疫職員を殺害した。また男には過去に傷害罪による懲役刑が下った過去がある」として、死刑判決を下したのです。

 

男は判決を不服とし上訴しましたが、3月30日に行われた高級人民法院も同じく死刑判決を下し、男の死刑が決まったのです。死刑判決が下ってから約3か月後の今月9日、男への死刑が執行されました。

 

中国政府は、医療従事者や防疫関係者への業務妨害などを行った場合、死刑に処することを発表しており、今回判決から執行まで非常に短期間だったことは、今後同様の事件については抑止力も含め厳しく対処していくという意志の表れということなのでしょう。