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ドッペルゲンガー?この世にもう一人の自分が存在していた奇妙な事件

イギリスの詩人バイロンは自身の作品の中で、「事実は小説より奇なり」という言葉を残しました。今回、中国で、この言葉を体現したかのような奇妙な事件が起きたようです。


今月2日、ウェイボー(中国版Twitter)に、ある男性の奇妙な体験が投稿されました。張建と言う名のこの中年男性は、今まで自分の人生が他人に乗っ取られていたというのです。


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《事件についてメディアに語る被害者男性》

 


事件は1997年にさかのぼります。男性はこの年、所属していた軍隊の仕事を辞め、地元の山東省に帰郷、職を探していました。そして除隊から2年後の99年、ようやく地元の林業局への再就職が決まったのですが、林業局からはいつまで経っても正式な出勤要請が来ません。そのため、男性はアルバイトで生計を立てる他ありませんでした。


林業局から説明もないまま、いつまで経っても出勤要請がないことを不審に思った男性は、自分自身の身分証明書のデータを調べ、衝撃の事実を目の当たりにします。


男性がメディアのインタビューに答えたところによると、2014年11月の時点で、男性と同姓同名で、身分証番号まで全く同じ人物が地元の行政機関に公務員として働いていたというのです。


この謎の人物は、1999年から公務員として保険に加入、給与を受け取っていました。男性は行政機関に出向き、もう一人の自分に接触、説明を求めましたが、納得のいく回答は得られませんでした。さらに、この人物は実年齢が32歳であることも明らかになったのですが、そうなると、この人物は11歳から公務員として給与を受け取っていたことになります。


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《被害者男性に成り代わっていた謎の人物》


実はこの事件、背後にトンデモナイ真実が隠されていました。男性のSNSでの投稿が注目されたことから、地元当局が事件として捜査していたところ、黒幕として浮上してきたのが、謎の人物の父親でした。

 

地元メディアによると、この父親は地元の小学校で校長をしていましたが、自分の子供の将来のために、他人の身分証情報を入手し、それを使って当時11歳だった自分の子供を公務員に仕立てあげたというのです。


この事件には、当然ながら父親である学校長の他に、地元行政機関の幹部なども関わっていると見られており、今も詳しい捜査が行われています。


行政機関をも巻き込み、一人の男性の人生を台無しにした今回の事件。なぜこの男性がターゲットにされたのか、なぜ11歳の子供が公務員として給与を受け取れていたのか、誰がこの犯行に関わっていたのか、などについては、今後犯行に関わった人物への事情聴取で明らかにされることでしょう。ハリウッド映画さながらの今回の事件、今後映画されるようなこともあるかもしれません。