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やはり今年も観光客による破壊行為が……

新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めたとアピールしている中国は、国内の移動に制限を設けておらず、大型連休の真っ只中にある今、各地の観光地には多くの観光客が押し寄せています。コロナ発生後、実質的に初めての連休とも言える今回の国慶節。報道によると、国内旅行に出た中国人は5.5億人に達しました。
 
しかし残念なことに、連休に入ってから各地の観光地で、訪れた観光客により貴重な歴史的建造物などの観光名所が破壊され、無惨な姿を晒しています。
 
その一つが1987年に世界遺産に登録された万里の長城です。陝西省榆林市には、鎮北台長城と呼ばれる明時代に建造された長城があり、観光名所となっているのですが、今回の大型連休中に、観光客によって建造物が破壊されてしまったのです。
 
地元メディアによると、400年もの歴史を持つこの鎮北台長城にもこのほど多くの観光客が押し寄せ、長城の壁に登ったり、鋭利なもので自分の名前を刻んだりする者が相次ぎました。実際に破壊された遺跡の写真などが公開されたこともあり、こうした自国民の観光マナーについて、中国国内からも厳しい声が寄せられました。
 
 
 
その中国人の観光マナーと言えば、日本のメディアもかつて頻繁に取り上げられていました。中国人観光客の爆買いブームが大きくなるにつれ、世界各国で中国人のマナーの悪さが厳しく報じられていたのです。
 
中国政府は、事態改善のため、2015年に「遊客不文明行為記録管理暫行弁法(観光客による非文明的行為の記録をする法律)」を施行し、事実上ブラックリストが作られることになりました。ブラックリストに登録されると、名前も公表されるため、警察当局や金融機関にも情報が共有されることになります。このため、今後、経済活動にも何らかのペナルティーが課せられる可能性も指摘されています。
 
マナー違反という言葉でまとめてしまうだけでなく、今後は器物破損罪などの罪に問う刑事事件として扱う必要があるかもしれません。