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中国蘇州市でマナー向上アプリがリリース?!

中国では今回、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止める為、様々なテクノロジーが活用されました。中でも、国民全体に使用を義務付けた健康コードアプリは、感染拡大防止に大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
 
 
そしてこの度、中国蘇州市では同様の技術を使い、市民のマナー向上を図る取り組みが始まりました。蘇州市が今回使用をスタートさせたのは、“文明コード”と呼ばれるスマホアプリです。日本でも、中国人のマナー違反については度々メディアなどで話題になってきましたが、中国国内でも自国民のマナー違反は大きな社会問題となっていました。
 
このため、2015年には中国国家旅遊局が「旅行客非文明行為記録管理暫定法」という法律を施行し、マナー違反を行った国民を法的に取り締まる取り組みも初めています。マナー違反が確認されると、出国制限や銀行ローンの審査の厳格化といった罰則が科されることになるのです。
 
一方、蘇州市が今回行うのは、市として独自に行うマナー違反対策です。同アプリを発表した蘇州市公安局は「文明アプリで好評価を残した市民に対しては、就職や生活、娯楽など様々な分野で優遇措置を講じる用意がある」と説明しています。
 
 
 
 
気になるアプリの中身ですが、特に重点が置かれているのが交通マナー。18歳以上の市民から利用可能で、利用は任意であるとしていますが、交通違反の回数が規定数を超えている市民は、強制的に使用を義務付けられます。アプリをダウンロードすると、“交通マナー指数”1000点が与えられ、信号無視(−50点)や飲酒運転(−100点)などを行う度に点数が減点されていく仕組みです。
 
すでに様々な場面で導入されている、点数による管理。中国IT最大手のアリババも3年ほど前、「芝麻信用」と呼ばれる個人向けの信用スコア診断アプリをリリースしました。これは、ネット上の投稿内容やネットショッピングの購入履歴、資産などから個人の社会的信用度を数値化するというアプリで、信用度が高い人は銀行ローンの審査が優遇されたり、航空券が優先的に購入できたりと、様々な恩恵を受けることが出来ます。
 


AIなどハイテク技術の成長が著しい中国ですが、その最先端の技術は国民の管理にも大きく活用されているのです。テクノロジーを使いアメとムチで国民管理を進める中国。生活は便利になる一方、心のどこかで窮屈さを感じるのは私だけでしょうか。