周来友ブログ

周来友オフィシャルブログ

新型コロナウイルスの影響か、詐欺事件に巻き込まれる大学生が急増

新型コロナウイルスに対する経済支援が政府や行政を中心に進んでいます。これまでに特別定額給付金や持続化給付金、家賃支援、雇用助成金など多岐にわたる支援がありました。しかし、残念ながらこうした支援策を利用した犯罪も相次いで発生しています。特に、持続化給付金では受給資格のない人たちが詐欺組織に唆され、不正受給をしている実態が明らかとなっています。
 
中国では新型コロナウイルスの発生後、つまり今年の上半期に、大学生が詐欺犯罪に巻き込まれる事件が急増していたことが分かりました。上半期、警察が把握している学生が巻き込まれた詐欺事件はすでに9.3万件も発生しています。



《中国の大学では学生証を担保に金を違法に貸す業者の広告が貼られている》
 
新型コロナウイルスの影響で、授業料や生活費の工面が難しくなる学生も増えている中、中国では大学生が具体的にどのような詐欺事件に巻き込まれているのでしょうか。
 
中国消費者協会によると、大学生をターゲットにした詐欺犯罪は主に2つの手口に分かれていると言います。1つは、学生ローンやネットローンなどを利用したことのある学生に対し、「情報信用機関に登録した個人情報を削除しなければ、社会的信用にも影響する。金を払えば個人情報を削除することが出来る」と伝え、金銭を騙し取る手口です。さらにもう1つの手口は、金融ローンなどを利用したことのない学生をに対し、「あなたの個人情報が何者かに盗まれ金融ローン契約がされている。契約の削除を行うのに金銭が必要」と伝え、金銭を騙し取るのです。
 
この際、詐欺組織は学生の本名や身分証番号、学校名、住所などを正確に伝えるなどし学生を信用させていたのです。今月8日には実際に男子大学生が6万元(約100万円)もの金を騙し取られる事件が発生しています。この学生は身に覚えのない金融ローンの契約の存在を、業者から告られ業者はこの大学生の個人情報を正確に把握していたため、男子大学生は業者に言われるがまま、登録された個人情報を削除するため合わせて6万元を振り込んでしまったのです。
 
中国で学生をターゲットにした詐欺事件が5年ほど前から増加しており、これまでには女子学生をターゲットに、裸の写真やわいせつ動画を担保に金を貸す“裸ローン”と呼ばれる手口の闇金融による被害が拡大してきました。裸ローンによる被害者の中には、自殺する学生も相次いできたのです。


詐欺組織や闇金融のターゲットとなりやすい中国の大学生。新型コロナウイルスによるシノギが厳しくなっている犯罪組織は、そのターゲットを大学生などにも広めている実態があるのです。