周来友ブログ

周来友オフィシャルブログ

台湾の繁体字中国語VS中国大陸の簡体字中国語、アメリカで方針転換の可能性も

世界で最も話されている言語「中国語」。14億人の中国人の他、台湾や香港、さらにシンガポールインドネシアなどで多くの華僑が中国語を使用しています。その中国語で使用する漢字は大きく分けて、中国大陸で使用している簡体字と、台湾や香港で使用している繁体字の2種類があります。
 
《左が繁体字中国語、右が簡体字中国語》

また、発音記号も台湾ではボポモフォと呼ばれるものが一般的ですが、中国ではピンインが利用されており、台湾の中国語と中国大陸の中国語では根本的な学習方法も全く異なります。中国語学習者の中には、留学する際に繁体字中国語を学ぶため台湾を選ぶという人も少なくありません。
 
現在、世界中で増えている中国語学習者。その多くは中国大陸で使用している簡体字中国語ですが、その流れは今後大きく変わることになるかもしれません。
 
アメリカでは数年前から連邦捜査局FBIが、「中国教育部(文科省に相当)は世界各国で展開している中国語学習機関・孔子学院を通じて中国共産党プロパガンダを宣伝し、スパイ活動の隠れ蓑となっている」と指摘してきました。
 
このため、アメリカでも多くの大学に孔子学院が併設されてきましたが、孔子学院との契約を解除する大学が増えているのです。
 


 
台湾で大使館の役割を果たしている米国在台湾協会(AIT)の会長ジェームズ・F・モリアーティ氏は今月出席した中国語学習のフォーラムで、「閉鎖された孔子学院に替わる新たな中国語学習機関が必要となっている」として、台湾がその役割を果たすべきであると発言しました。
 
《ジェームズ氏と台湾外交部長の吴钊燮氏》
 
また同氏は、アメリカで中国語を学習する多くの若者が台湾式中国語を学ぶことに期待を寄せているだろうと語っています。
 
これは今後、アメリカで学ばれる中国語は台湾式、つまり繁体字中国語が主流となる可能性があることを意味しています。バイデン氏が政権就けば、米中関係も比較的安定すると見られていますが、FBIの捜査対象となっている孔子学院の排除は、バイデン政権でも踏襲される可能性は高いでしょう。アメリカでは今後、繁体字中国語の学習者が急増するのかもしれません。