賄賂290億円、愛人100名!中国高官に死刑判決か
今月11日、中国天津市第二中級人民法院で1人の男の裁判が行われました。男の名前は“頼小明”。中国国営企業の金融会社「中国華融資産管理公司」で社長を務めていました。
中国当局は2018年4月17日、重大な規律違反が確認されたとして頼小明の逮捕を発表しました。そして2019年2月15日、汚職や重婚など違法行為が確認されたとして中国検察当局が起訴を発表、今月11日から裁判を開始したのです。
この裁判では、頼小明の驚くべき私生活が明らかにされ、中国国内で波紋が広がっています。
検察側の発表によると、頼小明は2008年から2018年の約10年間、銀行業監督管理委員会や中国華融資産管理公司で重職を務め、その間企業や個人などから多額の賄賂を受け取っていたといいます。その額なんと17.88億元(約290億円)。さらに、公的資金2513万元(約4億円)を私的に流用していたことも判明しました。
違法に手にしたカネのほとんどは自宅や別荘から現金で見つかり、その重さはなんと3トンにも達したといいます。また自宅の車庫からは、海外産高級車であるベントレー、ベンツ、アルファロメオなども押収されました。
裁判では頼小明の愛人についても言及があり、頼小明が自身の所有していた100部屋以上のマンションなどに、少なくとも100名以上の愛人を住まわせていたことが明らかになりました。しかもその愛人たちに、自身が社長を務める中国華融資産管理公司の子会社の役職を与えていたことも確認されています。
今回の事件を受け、中国華融資産管理公司の株価は急落、日本円にしておよそ5000億円が消失しました。
自身の立場を利用し、女とカネに溺れた被告には、死刑判決が下る可能性が高いと見られています。日本とは違い、政府幹部の汚職には死刑判決が下ることが珍しくない中国。しかし、一人の人間に富や権力が集中してしまう社会構造を改革しなければ根本的な問題の解決にはならないでしょう。