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中国最大のメッセージアプリ凍結を巡り、男性が自殺

日本でもすっかりお馴染みとなった電子決済ですが、中国ではすでに電子決済が日常生活に溶け込んでおり、財布を持たない生活が当たり前となっています。中で特に利用されているのが微信ウィーチャット)と呼ばれるSNSを利用した電子決済システムですが、中国でこのほど、この電子決済システムを巡り自殺者が出る事件が発生しました。
 
今月15日、中国深セン市南山区にある高層ビルから1人の男性が飛び降り、命を断ちました。このビルは、ウィーチャットを運営している中国最大のIT企業、テンセント社のオフィスが入っているビルでした。
 


死亡した男性の遺族によると、今月12日、男性は自身のウィーチャットアカウントにアクセスが出来なくなってしまいました。ウィーチャットは、政治的な書き込みをしたり、性的な写真やメッセージを投稿したりすると、アカウントがされ、一定期間アクセスが出来なくなることがあります。
 
この男性も何らかの理由でウィーチャットアカウントが利用できなくなったとみられ、男性の遺族は、アカウントの凍結により電子決済も使用不能となったため、商売をしていた男性が将来を悲観し自殺した、と証言しています。アカウントが凍結されてから男性は何度もテンセント社に凍結解除を訴えていましたが、取り合ってもらえませんでした。男性はこうしたテンセント社の対応にも失望し、同社社屋から飛び降りたと見られています。
 
 
 
中国版LINEとも言われるウィーチャットは、利用者数が11億人を突破、国民的メッセージアプリとなり、そのアプリの一機能である電子決済機能も利用者が急速に増加していました。このため、ウィーチャットに多額の電子マネーをチャージしている人も少なくありません。そうした中での運営側による一方的な突然のアカウント凍結は、横暴と言わざる得ないでしょう。個人の財産を一企業が突然凍結すれば、生活が立ち行かなくなる人が現れ、その中にはこうした極端な行為に走ってしまう人々も出てくることは、予想にかたくありません。
 
アメリカ政府は現在、アメリカ国内からのウィーチャット排除を掲げていますが、今回の事件は、アメリカがウィーチャットを排除する格好の理由ともなるでしょう。