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新型コロナウイルス感染拡大で女性幹部を免職へ

新型コロナウイルスが相変わらず猛威をふるう中、中国ではこのほど、その対応の責任を巡り政府幹部が免職処分となっていたことが分かりました。
 
中国メディアは今月27日、武漢市中心医院で共産党委員会書記を務めていた女性幹部・蔡莉が、免職処分となっていたことを報じました。
 
 
 
武漢新型コロナウイルスの存在が明らかとなった当初、中国では情報の隠蔽工作やウイルスの危険性を訴えていた医師の逮捕などが行われるなど、初動対応を誤りました。その責任を問われる形でこれまで、湖北省政府幹部、武漢市政府幹部、地元公安局幹部など3000名以上の関係者が処分されてきたのです。
 
しかしこれまで、中国にとって最も責任を取るべきはずの人物の処分は見送られ続けてきました。その人物が武漢市中心医院共産党委員会書記の蔡莉氏です。彼女は中央政府からの指示を取りまとめ、新型コロナウイルスの医療対応を行う責任者でした。しかし当初から「マスクの着用は必要ない」などとして医療関係者を危険にさらしただけでなく、「新型コロナウイルスに関する如何なる情報も外部に漏らしてはならない」と情報の隠蔽を指示するなど、感染拡大を招いた張本人として、メディアやネットユーザーから処分を求める声が寄せられていました。
 
実際、蔡莉氏ら上級幹部からの指示に従った結果、武漢市では院内感染などが発生し、最終的に300名以上の医療関係者が新型コロナウイルスに感染。4名が死亡しています。また蔡莉氏は、SNSなどでいち早く新型コロナウイルスの存在を指摘した李文亮医師を訓戒処分とし、大きな混乱を招きました。
 
 
 
そんな蔡莉氏を免職処分にすることで、初期対応の悪さをうやむやにし、一区切り付けたい中国政府ですが、蔡莉氏の任命責任については一切触れられていません。しかし、責任の全てを地元政府に押し付けるやり方では国民の納得を得ることはできないでしょう。