周来友ブログ

周来友オフィシャルブログ

中国屈指のリゾート島で、ヒジャブ着用禁止

中国屈指の人気リゾート・海南島をご存知でしょうか。東洋のハワイとも言われ、中国人はもちろんロシアや欧米からも多くの観光客が訪れる人気の南国リゾートです。そんな海南島ですが、実は漢民族の他にも“リー族”、“ミャオ族”、“チワン族”、“イスラム系民族”など多くの民族や宗教が共生している場所でもあります。
 



ところが今、海南島の学校ではその多様性に異変が起きているようです。香港系メディアによると、海南省三亜市の複数の小学校で、イスラム系民族の学生が被っていたスカーフを外すよう指導されているというのです。イスラム教には女性がヒジャブと呼ばれるスカーフを頭に被っる風習があります。皆さんもテレビなどで見たことがあるでしょう。
 
《学校への登校を認められず校門に座り込む学生たち》
 
市内の小学校では、このヒジャブを着用してきた児童に対し、ヒジャブを外さなければ校内への立入りを禁止するという措置が採られることになりました。実は、海南省では昨年12月、中学校でも同様の措置が行われていました。
 
今回、校内への立入りを禁止された児童やその保護者達は学校側に説明を求めていますが、今のところ学校側は、なぜこうした措置を行ったのか一切明らかにしていません。海南省で起こっている今回の動きについて、海外メディアは「新疆ウイグル自治区チベット内モンゴル自治区などで起こっている民族や宗教弾圧が海南省でも始まったのではないか」と報じており、今後さらに国際社会の注目を浴びることになることでしょう。
 
ヒジャブ着用禁止を巡っては、フランスが2011年、公共の場での着用を禁止する法律を制定しました。背景には、ヒジャブの着用によって女性の人権が侵害されていることや、公共の安全保障上の問題などがあり、大勢の市民の賛同も得て施行されてきました。しかし、今回中国で行われているヒジャブ着用禁止は、具体的な理由が示されておらず、そのことからもフランスとは違う事情で禁止していることは明らかでしょう。今後の動向に我々も注目してかなければなりません。