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コロナ禍でDVが急増

夫婦生活の中で様々な悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。夫婦間でのモラルハラスメントやDVなどは、メディアでも大きく取り上げられるようになりました。コロナ禍にある今、夫婦間ではストレスが増え、こうした問題もますます増えているようです。
 


コロナ禍の今、中国で夫婦間における家庭内暴力の相談件数が増加しているようです。中国メディアによると、相談内容には暴言による精神的暴力・身体への暴力・性行為の強要などが含まれているといいます。
 
日本では、性交渉に暴行や脅迫が認められる場合、夫婦間であっても強制性交罪(刑法177条)となり、刑事事件の対象となります。ただ、被害者は一定数存在すると考えられるものの、被害を訴えるケースはほとんどありません。
 
一方、中国では夫婦間での性交渉の強要を巡り、夫婦が裁判で争うことは決して珍しいことではありません。中国の裁判所は、こうした夫婦間の問題に対し、明確な判決を下しています。
 
中国の裁判所で、初めて夫婦間の性交渉を巡る裁判が行われたのは2010年のことでした。裁判は上海市の裁判所で、離婚を希望する妻が夫を訴える形で始まりました。妻は夫から暴言を吐かれていたことや、暴力を振るわれていたこと、さらには性交渉を強要されていたことを挙げ、離婚の妥当性を主張。一方、夫は性交渉は夫婦間の問題で、自分の行為は犯罪には当たらないと主張しましたが、裁判所は強姦罪に該当するとしてその行為の犯罪性を認め、夫は逮捕されることとなったのです。なお、この裁判では夫に懲役3年の刑が下されています。
 
《中国では2016年に反DV法が制定され、家庭内暴力の具体的な定義が行われた》
 
中国の刑法では、強姦罪の定義として「女性の意思に反し、暴力や脅迫などの手段を用いて性行為を行うこと」と明記されています。中国では日本同様、夫婦間であっても性交渉の強要は犯罪行為となるのです。また、中国ではこれまで、夫婦間における性行為の強要などで、8件が強姦罪と認められてきました。
 
中国では特に悪質な強姦罪についは、死刑判決が下されることも少なくありません。ただ残念ながら、日本にも中国にもこうした問題について、「夫の欲求を満たすのは妻の義務」という時代錯誤な考えを持っている人は少なくないようです。世界的に女性の社会進出が叫ばれる今、女性の家庭内での立場についても、改めて考え直すべき時期に来ているのではないでしょうか。