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飲食店でのお残し禁止!中国政府が罰金刑を視野に立法

先日、某ラーメン店がSNSでライスを残さず食べてほしいというメッセージを投稿し、話題となりました。残念ながら、こうした投稿を否定する書き込みも多く、悲しい気持ちになった人も多いのではないでしょうか。一方、中国ではこの飲食店での食べ残しを改めようと今まさに国家をあげた改革が行われています。
 
中国全国人民代表大会常務委員会は今月23日、都市部の食品廃棄物が毎年1700万トンに上っていると発表しました。この統計データは、主に飲食店、学校などの公的食堂、家庭などから廃棄された食品量を基に算出されています。
 

 
 
食品廃棄物の問題は都市部に限ったものではありません。中国では毎年、穀物廃棄量が3500万トンにも達しているのです。コロナによる食料供給不足や異常気象、害虫被害による影響で中国国内では食糧事情が徐々に逼迫してきているのです。こうした事態を重く見た習近平政権は、食料ロスの減少を国家の重要任務として発表しました。
 
現在、中国では「中華人民共和国反食品浪費法」という法律の制定に向け、議会で議論が進められています。この法律が制定された場合、飲食店などは来店客に食品を浪費しないよう促すことや来客から適量のオーダーを受けるようにすることが義務付けられ、義務を果たしていない飲食店には最大で1万元(約16万円)の罰金が科されることになります。
 
これに加え、大食い関連のテレビ番組の上映や大食い動画の配信も禁止されることになり、違反した場合、同様に罰金が科せられます。
 
戦後、中国は貧しい時代が長く続き、文革の時代には多くの国民が食料不足に直面しました。しかし、時代は変わり、食べ物に困ることのなくなると、食品の浪費が当たり前という認識が蔓延していきました。しかし、食料は無限ではありません。食べ物の大切さを次の世代に伝えていくことも、我々に課された重要な任務なのではないでしょうか。