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中国の商標権問題、今度はブルース・リー

先日もこのブログで中国での「無印良品」の商標権を巡る裁判についてお伝えしましたが、今度は世界的スターの商標を巡って、中国の有名ファストフードチェーンが訴えられる事態となっています。


今回、訴えられたのは「真功夫」というファストフードチェーンで、2004年の創業当初から15年に渡り、イメージロゴに世界的カンフースター「ブルース・リー(李小龍)」のモチーフを使用してきました。ところが今月25日、ブルース・リーの版権管理やグッズ販売を行っている企業「Bruce Lee Enterprises.LLC」が、15年間無許可でブルース・リーのモチーフを使用していたとして、「真功夫」に対し2.1億元(約34億円)の賠償金を求め上海の裁判所に訴え出たのです。

 

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《今回裁判の対象となったロゴ》


今回裁判を起こした「Bruce Lee Enterprises.LLC」ですが、代表者はブルース・リーの実の娘であるShannon Emery Lee氏。つまり、父親の肖像権や商標権について、娘が裁判を起こしたということです。

 

都市部を中心に、中国全土で600店を展開する真功夫ですが、今回の裁判について公式SNS上に声明を発表、「今回の案件については裁判がまだ始まっておらず、コメントは差し控えたい。裁判の結果を見守りたい」とし、直接の言及は避けています。


功夫が創業当初、商標局に登録したこのロゴの使用期限は2026年までですが、中国では商標の使用期限が来ても、使用の延長を申請し、継続して使用していくことが一般的です。


国内メディアは、中国の商標登録は先願主義であるため、「Bruce Lee Enterprises.LLC」側の訴えが認められる可能性は低いのではないかと報じていますが、世界的有名人であるブルース・リーの肖像権を巡る裁判のため、世界のメディアも非常に注目しています。


今回の裁判で原告側の訴えが認められることになれば、中国の商標権のあり方が大きく問われることになります。今後の裁判の行方に注目が集まっています。