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中国の小学校では子供が軍事訓練?

第二次世界大戦中の日本では、乏しい兵器を補うために竹槍が正式な兵器として採用され、日本各地の小学校では子供たちが竹槍を使った訓練が行われていました。こうした中、中国では習近平国家主席が「全身全霊で戦争に備えなければならない」と、名指しはしなかったものの、アメリカとの戦争突入を意識させる言葉を軍隊に呼びかけるなど緊張が高まっています。
 
そんな中、中国湖南省永州市内の小学校では“軍事戦術”と呼ばれる授業が新たに創設され賛否両論の意見が寄せられています。メディアによると、この小学校では体育の授業の一部が改編され、戦争時の実戦を想定した訓練を行っていると伝えています。




今回、“軍事戦術”を創設した理由について、この小学校の担当者は、「子供たちが一般の体育の授業に興味を示さなかったため、校長や保護者の許可を得て、軍事戦術の実践授業行ったところ、子供たちからも人気の授業となった」と説明しています。
 
メディアが公開している軍事戦術の授業を見ると、子供たちが銃に見立てた木の棒を担ぎながらほふく前進する様子などが確認でき、中には銃に見立てた木の棒で同級生たちを撃ち殺すシュミレーションも行われていたのです。
 
今回の授業について、中国のネット上では「子供たちがとても楽しそうに取り組んでいる」、「こんな面白い授業やりたかった。こんな授業を考えてくれる先生に出会いたかった」など、好意的に受け止める意見がある一方、「戦争ごっこを学校が子供に教えていいのか」、「暴力行為を学校が肯定するとは如何なものか」などの意見も寄せられています。
 
中国では毎年の9月に大学の入学シーズンを迎えます。この時期になると、各地の大学では“軍訓”と呼ばれる軍事訓練が全新入生に対して行われます。国防法、教育法、兵役法などの法律により、大学生は国防教育、つまり軍事訓練を受けることが強制されているのです。この軍事訓練では、現役の人民解放軍の指導のもと、時には実弾を使用した発砲訓練も含まれるなど、かなり実戦に近い内容も行われるのです。
 
アメリカとの開戦を意識する言葉が多く見られるようになっている中国。小学生に対しても行われるようになったこうした動きを見ると、戦争の足音が少しづつ近づいているような感覚になるのは私だけでしょうか。