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コロナ禍で中国でも就職難、優秀な中国人が日本に押し寄せる可能性も

すっかり学歴社会となった中国。2000年頃から大学進学者が急増し、来年2021年には過去最高となる909万人の新卒生が誕生する見込みです。しかし、新型コロナウイルスの影響で中国経済も大きなダメージを負っており、社会全体にその膨大な新卒生を引き受けるだけの余裕がなくなってしまいました。このため、彼らは今、就職難という大問題に直面しているのです。
 


 
では、中国教育部(日本の文科省に相当)はこうした新卒生の深刻な就職難にどのような手を打つつもりなのでしょうか。
 
毎年7月〜8月に卒業式シーズンの中国では、今年2020年、大卒者が874万人を記録しました。例年、2月〜3月に各地の大学では大規模な合同企業説明会などが行われ、多くの学生で賑わいます。ところが今年は新型コロナウイルスの影響で、こうした企業説明会も実施されず、卒業後も就職先が決まっていない学生も少なくありません。
 
来年になれば、新卒者がさらに909万人増えることになることもあり、政府は対応に迫られてきました。中国教育部は就職難の中、苦境に喘いでいる新卒生たちに対し、“大学院への進学奨励”、“公職の定員数増設”、“軍隊への入隊促進”などを中心とする対応策を提示しています。
 
 
 
 
その中で、日本が特に注目すべきは、軍隊への入隊促進でしょう。海洋進出や他国との国境を巡る問題に強権的対応をしている中国は、コロナの感染拡大による就職難を逆手にとって、大卒者を獲得、軍事力の強化を図っているのです。コロナ禍にあって尚、虎視眈々と国力強化を狙うこうした中国の動きは、隣国である日本も注視していくべきでしょう。
 
また、中国国内の就職難は、日本国内にも今後大きな影響をもたらすかもしれません。コロナ禍による経済失速で、日本では新卒生を一から育てる体力のない企業が増加、大学でしっかり専門知識を身に付けた即戦力となる新卒生が求められるようなるでしょう。中国国内の優秀な新卒生たちは、コロナ禍をきっかけに、周辺国への越境就職も視野に入れ就職活動を行なっています。日本の新卒生たちには、今後ますます厳しい戦いが待ち受けているのかもしれません。