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コロナ禍を背景に中国の大学で違法な卵子売買が横行か

コロナウイルスによる経済へのダメージは、企業だけでなく学生にも大きな影を落としています。日本では、バイト先の倒産などから風俗業やパパ活と言われるいわゆる売春行為で学費を稼ぐ女性が増加していると報じられました。一方、中国では経済復調が強調される報道が目立ちますが、日本と違い給付金などの経済支援がほぼ皆無だったため、非常に苦しい生活を強いられている人々が少なくありません。
 
こうした中、中国国営メディアの人民日報が、中国の女子大生たちの間で卵子の違法売買が横行していること報じました。
 
記事によると、このところ中国の大学校内の女性トイレに不審な広告やメッセージが貼られるようになったといいます。こうした広告やメッセージには、「高額報酬・2〜8万元(30万円〜120万円)・エロなし」などの文字が並んでいます。
 
 
 
 
実はこうした広告は、卵子の違法売買を持ち掛けるもので、違法な卵子バンクビジネスを行なっている犯罪組織が女子大生たちに闇バイトを持ちかけているのです。こうした組織は、女子学生の在籍大学(学歴)・身長・体重・外見などから卵子の買取金額を決めており、高学歴で容姿端麗であるほど高額で卵子を買い取ってもらえるといいます。
 
中国メディアの記者が女子大生を装い、卵子の買取業者に接触したところ、意外な事実も発覚しました。業者が連絡先として指定してきたSNSメッセージアプリに、卵子採取に利用されていると思われる医療器具や採取の様子を撮影したとみられる写真、動画などが投稿されていたのです。業者によると、実際に卵子を採取する際は正規の病院に10日間ほど入院し、排卵促進剤などを注射されるといいます。
 
 
 
 
中国では、体外受精や人口受精は認可を受けた病院や医療機関でしか行うことが認められていない上、行政への申請も必要です。当然ながら、今回のように認可を受けていない組織が精子卵子の売買を行うことは法律で禁じられています。中国では過去に、違法組織の仲介で卵子提供を行った女性が死亡するという事件もありました。
 
違法な卵子売買は罰則が罰金3万元(約50万円)と非常に軽く、そのことも犯罪の横行を後押ししてしまっています。コロナ禍を背景に様々な闇ビジネスが横行する昨今。今こそ政府や行政による手厚い支援や罰則の強化が必要なのではないでしょうか。