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中国大企業で女性社員が過労死、初めて明らかになったその勤務実態とは

電通の新入社員だった 女性が過重労働により自殺して5年が経ちました。日本を代表する大企業で起こったこの事件によって、ようやく多くの人や企業、政府が過労死や自殺防止に向けた議論を行うようになったのです。
 
実は中国でもこのほど、大企業に勤める女性社員が長時間残業による過労で突然死するという事件が発生し、中国メディアが連日大きく報じています。
 
《同社はナスダックにも上場している AFP》

中国メディアによると、今回過労死したのは、若者を中心に人気を集める人気ECサイト、拼多多(Pinduoduo)  に勤める23歳の女性社員で、12月29日深夜1時半頃、会社からの帰宅途中、突然倒れ、病院に運ばれたものの、死亡が確認されたといいます。
 
中国の有名企業で起こった今回の事件。その後、同社における長時間勤務の実態が明らかになってくると、ネット上を含め非難の声が多数寄せられ、中国国営メディアまでもが社説で企業を批判する事態にまで発展しました。
 
中国メディアは、同社に勤めていたネットユーザーの声を紹介、 週6〜7日勤務は当たり前で、一日の勤務時間は少なくても10時間以上、月の就労時間は300時間以上という同社の驚くべき勤務実態を報じています。
 
拼多多側は違法な勤務実態はなかったとしていますが、同社に勤める社員や離職者からは、「企業側が設定したKPI(業績評価指標)を達成するには残業するほかない。定時に退勤できるスタッフはほとんどいなかった」と 証言しています。
 
中国ではこれまでも“996問題”が大きな社会問題となっていました。996とは朝9時から夜9時の勤務を週6日行うという意味で、中国ではこうした違法な勤務状況が常態化しており、それが大きな問題となっているのです。中国アリババ創業者のジャック・マーや、大手ECサイト京東創業者の劉強東などはこうした996勤務を擁護する発言をしていたことを記憶している方も多いのではないでしょうか。