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中国で肥満人口が急増、高齢者割合の増加に加えて国民の健康問題が懸念

今月23日、中国国務院が国民の健康状況について会見を開き、18歳〜44歳の男女の平均身長が2015年の調査からそれぞれ1.2センチ、0.8センチ伸び、169.7センチ、158センチとなっていたとして、国民の栄養環境は改善しているとの見解を示しました。
 


 
その一方で、中国衛生健康委員会や中国疾病予防センター、国家がんセンターなど4つの公的医療機関が2015年から2019年にかけ、全国で実施した大規模な健康調査から、中国が抱える大きな問題も明らかになりました。経済成長と共に食生活や生活様式も大きく変化してきた中国。全国31の地域で60万人を対象に行った健康調査から、平均身長の上昇とともに、肥満と診断された人の数が急増していることが判明したのです。
 
発表されたデータによると、18歳以上の男女の平均体重はそれぞれ69.6キロ、59キロ。2015年と比較すると、それぞれ3.4キロ、1.7キロも増加していました。男女の肥満率もそれぞれ34.3%、16.4%と極めて高く、今後国民の生活習慣病罹患率の上昇が懸念されます。
 
特に心配されているのが子供の肥満の急増です。昨年、北京大学の研究チームが全国の7~18歳の子供100万人を対象に行った健康調査では、肥満児の割合が過去最高の20%、つまり20万人の子供が肥満であることが判明しました。こうした現状を反映してか、現在中国では子供向けのダイエット教室なども人気を博しています。
 
 
 
高齢化の加速に加え、若者の間で広がる生活習慣病のリスク。各国に強権的な姿勢を示す中国政府ですが、こうした国内の医療・健康問題こそ、国を脅かす最大の脅威となっていくのではないでしょうか。